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三線おやじの三線作り13 棹を作る(粗加工) [手作り三線]

まわりくどい!とイライラしている方も多いと思います。
お待たせしました。
今回で、やっと三線らしい形が見えてきます。

棹の粗加工

 棹は三線の要です。従って、精度の良い加工を心がける必要があります。加工精度が甘いと部品の位置関係がずれて、弾きにくい三線になってしまいます。はめ込み部分を加工する場合は、ガタが出ないように心がけて下さい。また、粗加工後に材料が歪むこともあります。この変形と仕上げ代を考慮してケガキ線より少し大きめに加工するようにしてください。


カラクイ用の穴加工

棹カラクイ部完成見本.jpg
 3本の弦の長さはなるべく同じにしたいが手で巻き上げる空間は確保しなければならないので、2本のカラクイを取り付ける側の穴は、斜めになっています。1本のカラクイを取り付ける側の穴も含めた、3つの穴の位置と角度がずれていると、カラクイを差し込んだときの見栄えも悪くなるので、正確な加工が必要です。
 また、弦が緩まないようにカラクイをしっかり固定する必要があるので、穴も円錐形状(テーパ穴)になっています。3つの穴のテーパの角度を同じにしないと、カラクイの互換性がなくなってしまいます。
 ボール盤があれば楽に精度の良い加工が行えます。ここでは、ボール盤を使わない方法を説明しています。
棹カラクイ部斜め穴治具.jpg
 カラクイ用の斜めの穴の角度を同じにする為に、ドリルガイドに取り付ける斜めのプレートを作ります。傾斜プレートの詳細については、三線製作に使用する道具の項を参照してください。
 カラクイ用の穴加工は、まず下穴錐にて深さ20mm程度の下穴を6ヶ所に空けます。下穴を反対側まで通さないのは、穴の位置ズレを最小限に抑えるためです。穴の仕上げ加工を行うとき多少のずれなら修正できるので、相対する下穴の中心線が完全に一致している必要はありません。
棹カラクイ部下穴加工.jpg
 次に、直径6.5mm・深さ20mmの穴を、テーパ穴の穴径の大きい側から3ヶ所に空けます。この時、空けた穴の角がめくれないように注意してください。
 さらに、直径4.8mm・深さ20mmの穴を、テーパ穴の穴径の小さい側から3ヶ所に空けます。この時、空けた穴の角がめくれないように注意してください。
 穴の角がめくれるのを防ぐには、サラモミビットを使うと良いでしょう。サラモミビットは、穴の面取りや皿ビス用の面取り等、穴を空けた後に使うのが普通ですが、穴を空ける前にドリルビットの直径より大きめにサラモミ加工をしておけば、穴の角がめくれる可能性を減少させることが出来ます。


カラクイ部分の角穴加工


棹カラクイ部角穴加工.jpg 加工しやすくするために、まず角穴となる中央部分に数カ所ドリルで穴を空けた後、鑿で角穴に加工します。穴を空ける前に、角穴の罫書き線の内側0.5mmくらいのところに鑿を入れておきましょう。こうすることで、角穴の境界を越えて木がめくれ上がるのを防ぐことが出来ます。

棹歌口からくい部.jpg 歌口を取り付ける部分は、棹の表面から弦までの高さを決めるとともに、音質にも影響する重要な部分です。歌口が取り付けられた時にガタが無く、出っ張った部分の高さも正確でなければなりません。そこで、あらかじめ作っておいた歌口をはめ込んで確認しながら、歌口を取り付ける部分の加工を行いましょう。


胴に差し込む部分と厚みの加工


棹差込部加工.jpg 胴に差し込む部分も、弦の高さを決める重要な部分です。加工後に歪むことも考慮して、少し大きめになるように注意しながら加工して下さい。写真のように縦引きの鋸を使うか、ジグソーで切断すると良いでしょう。
 棹の厚みは、三線の強度を決めると同時に、弾きやすさにも影響します。薄くなり過ぎないように注意して加工してください。縦引き鋸またはジグソーで切断すると良いでしょう。特に、ジグソーを使用する場合は、切り込みすぎないよう気をつけてください。



棹の側面の加工

棹側面加工.jpg 弦と弦の間隔は、歌口側の方が狭く、ウマ側の方が広くなっています。弾きやすくするためには、棹の幅も弦と弦の間隔の変化に従って変える必要があります。また、胴に近い方は、強度を増して見栄えも良くするため曲線にして幅を広げています。そこで、棹の側面の切断加工には、曲面加工ができるジグソーか回し引き鋸を使います。
 棹の幅は、広すぎても狭すぎても弾きにくくなります。仕上げ加工後に所定の寸法になるように少し大きめに切断してください。

棹荒加工完了.jpg
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