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三線おやじの三線作り18 布張りチーガ作り1 [手作り三線]

 今回から、チーガに布を張った三線の作り方の説明をします。布を張る三線は、材料の選別、布を張る治具の製作など様々なことを行う必要があります。一つ一つのステップを丁寧にこなしていけば、満足できる音色の三線を作ることができると思います。

布張りチーガ作り

 伝統的な沖縄三線の音色は独特で、人の心を癒してくれる力があります。この音色を出すには、チーガ(胴)に蛇の皮を貼らなければなりませんが、特定の布を貼っても、近い音色にすることができます。沖縄でも、人工皮の三線として販売されています。
 ここでは、沖縄で一般的に採用されている方法とは異なっていると思いますが、私なりに試行錯誤して得た、胴に布を張った三線の作り方について説明します。
 チーガ(胴)の作り方、布を張る治具の作り方の順で説明していますが、製作の順序は問いません。


材料の選び方

チーガ桜材.jpg
 胴に加工できるサイズの材料は、DIYショップでは手に入りにくいと思います。幸い、木の種類に大きな制限はありません。サイズを満足して割れが入っていなければ、殆どの種類の木を三線の胴として使うことができます。強度の点で問題となるのは、棹を差し込む角穴の部分です。棹を抜き差しして角穴に割れが入らなければ、木目の方向も問いません。根気よく探せば、流用できる材料があるでしょう。銘木店に注文すれば、高価にはなりますが、手にはいると思います。
 できれば、なるべく堅くて強い材料を選んでください。桜ならば、輪切りの材料も使用できます。写真の材料は、桜と杉です。他には、チーク、カバ、ナラ、ラワン等が使えると思います。

チーガ杉材.jpg
 材料は、乾燥が進むことにより割れが入ることがあります。購入後は、必要な外形に近いサイズに切断します。すぐに三線製作をしないのなら、木取りの工程まで加工して、中央の穴も、なるべく正規に近いサイズで空けておきましょう。
 適切なサイズの材料が、どうしても手に入らない場合は、厚さ18mmの板を3枚重ねて胴を作ります。中央の穴を空けた後に、貼り合わせてください。接着剤が乾くまで、クランプなどの締め具を使って接合部を押さえつけ、隙間ができないようにしてください。
 私の方法はたまたま無垢材料で適当なサイズにめぐり合えたので、このようになりました。伝統的な三線の胴は4枚の板を枡の枠ように組み合わせて接着した後に、丸みを持たせる加工をしているようです。あられ組み加工ができるなら、この方法の方が強度も増して、理にかなっていると思います。この方法のもうひとつのポイントは、内側にも曲面加工を施す必要が生じることです。この加工が少し大変になると思います。200mm x 60mm x 30mm位の板が4枚あればできると思います。この方法で胴を作る場合、棹を通す穴の位置関係だけは合わせてください。仕上げ工程での留意事項は同じになると思います。

木のブロックを加工するタイプのチーガ参考図
図3 チーガ.png

板を組み合わせるタイプのチーガ参考図
図3-2 板組チーガ.png

図面の保存と利用方法、三線の組立図はこちら。

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