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栗本薫さん。残念です。ヤーンの定めですか? [雑談]

私と同い年の有名人といえば、一般的に有名なのは落合博満と北の湖。
でも、お二人には申し訳ないのですが、私の中で一番は栗本薫さんです。
中島梓としての方が有名だったと思いますが、私としては”栗本薫”です。
5月26日その栗本薫さんが亡くなられてしまいました。
生死に関わる病気を患いながら何とか命を取り留めている人間としても、
彼女の死は残念でなりません。
私のような人間は生き延びているのに、才能のある彼女にはその機会が与えられなかった。
現代の医学をもってしても何とかならなかったのかとの思いでいっぱいです。

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私が栗本薫さんを知ったのは、1979年5月号のSFマガジンでした。
(SFマガジンには1979年3月号で短編デビュー)
ちょうど30年前のこの時、世界一の長編「グインサーガ」が我々の前に姿を現したのです。
この頃の私は、ハードSFと呼ばれていた科学を前面に出したものが好きだったので、
そのときはあまり気にも留めていませんでした。
1986年頃に何かのきっかけで読み出してから後、はまってしまいました。
私のこれまでの人生で最も忙しかった年なので、
1986という数字を覚えているのでしょう。
アメリカ赴任からの帰国、ヨーロッパでの新規プロジェクトの準備、
父の死、とにかく目の廻るような日々でした。
そんな状態ですから、理屈ぬきで楽しめるものを求めていたのではないかと思います。

その後「グインサーガ」は読み続けていましたが、
彼女の他の作品にまでは手を広げてはいませんでした。
それが大きく変わったのは、病気を患って入院してからでした。
彼女のさまざまな作品が私の闘病生活を応援してくれました。
私の場合も何度も病気が再発して入院を繰り返しました。
そのたびに彼女の作品にはお世話になりました。

栗本薫さんありがとうございました。
ご冥福をお祈りします。

1979年5月号からSFマガジンに連載されたグインサーガを読み返してみました。
今では考えられない記述があり、びっくりしてしまいました。
時代感覚が鋭かったはずの彼女にもこんなことが起こりえたのですね。
指摘された間違いを訂正したのも勇気ある行為だったと思います。
(詳しいいきさつは、文庫本「グインサーガ1 豹頭の仮面 改訂版」に記述されています。)

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